メルマガからの売上は、「リスト数×平均単価×平均購入回数」で決まります。
仮に、メルマガリスト数は2,000件、単価は10,000円、平均購入回数は0.5回としましょう。
2,000件×10,000円×0.5回=10,000,000円
売り上げをリスト数で割ると、1リストあたりの価値が算出されます。10,000,000円÷2,000件=5,000円。今以上に売り上げを上げたければ、リスト数、客単価、購入回数を増やすしかありません。
仮に、各数字を1.5倍にしたとしましょう。
3,000件×15,000円×0.75回=33,750,000円
なんと、売り上げは3倍以上になったのです。
「そんな簡単にできたら苦労しないよ」
そうですよね。そんな簡単にできたら苦労しませんよね。
しかし、多くの方はメルマガのやり方を間違えています。そのため、本来得られるはずのパフォーマンスを発揮できないでいるのです。
これからお伝えする方法を実践していただければ、ほぼ間違いなく売り上げは増加するはずです。では、解説していきます。
メルマガからの売り上げを上げる肝とは
客数、単価、購入回数の3つのうち、最も大切になるのは、何だと思いますか?
答えは、購入回数です。
購入回数の多さは、何を意味するのか。
お客様が同じ商品をリピートしているか、あるいは、様々な商品を買ってくれているか、このいずれか、もしくはその両方です。
大抵のビジネスは、リピート購入、2回目以降の商品購入から利益が生まれます。お客様との取引回数(期間)が多いほど、その利益は生まれやすいのです。
「でもうちは、一回ポッキリの高額商品を扱っているから、購入回数は関係ないな」と言う方もいるでしょう。そんな場合でも、やはり取引回数は重要です。
実は私、以前は200万円もする活水器を販売していました。高額商品を売る会社がよくやる、資料請求者に対してセールスをかけるといったやり方はしていませんでした。活水器で作った水を販売し、リピート購入をしてもらいます。その間、ニュースレターを送ったり、電話フォローをしたりして、じっくりとセールスをしていったのです。
結果的に、50人中1人が200万円の商品購入に至りました。しかも、それ以前に水をリピート購入してくれていますから、この間も利益は出ています。もし、資料請求者に電話セールスをかけるようなやり方をしていたら、こうはならなかったでしょう。
購入する機会が少なければ、それだけ固定客にするチャンスが少なくなります。「消費」という接触ほど、お客様との関係性を深めるものはありません。リピート性のある商品を扱うにしろ、数多くの商品を扱うにしろ、高額商品を扱うにしろ、商品を購入する機会を増やす施策は、プラスに作用します。
では、どんな商品を用意すればよいのか。それは「超低価格商品」です。
超低価格商品を用意せよ
メルマガ読者を集める際、無料オファーを用意することが多いです。この無料オファーをフロントエンド商品と捉える人もいますが、これはフロントエンド商品ではありません。はじめてお客様がお金を払う商品、それがフロントエンド商品なのです。
フロントエンド商品の目的は、利益を得ることではありません。「お金を払う」経験をしてもらうことが目的です。人は一度でもお金を支払う経験をすれば、その後、その会社から商品を買う心理的ハードルが大幅に下がります。
フロントエンドの肝は、あり得ないほど安くすることです。「5,000円で売りたい」と思う商品をあえて500円で売るのです。価格帯は3,000円以下、できれば500円以下が好ましいです。安い分だけ購入へのハードルは下がり、消費をしてくれる人が増えます。
想像してみてください。
無料オファーを受け取った後の商品が数万円以上だったら、躊躇しませんか? まずは安く、その会社の商品を使ってみて、品質を試してみたいと思いませんか?
無料で集めてから数千円、数万円の商品を売るよりも、数百円の商品を間に噛ませたほうが結果的に商品は売れるようになるのです。
超低価格商品を案内するタイミングは、メルマガ登録日か翌日です。つまり、無料オファーを手にした後、会社への印象が一番よい時に超低価格の商品をセールスします。
超低価格商品の販売で信頼関係を築く
世界的ベストセラー『影響力の武器」の著者ロバート・チャルディーニ氏が新たに執筆した著書『PRE-SUASION(プリスエージョン)』があります。その一文に、家庭用熱探知機型火災報告器を売るセールスマンの話(7−8pにあるエピソード)があります。
そのセールスマンは、お客さんとの信頼関係を築くために、わざと営業資料を車に忘れるのです。そしてお客にこう言うのです。「大事な資料を車に忘れてきてしまいました。すみませんが、玄関から勝手に出て行って、また入ってきてもいいでしょうか?」。相手は「いいですよ」と答えます。なぜ、こんなことをするのかと著者は訪ねました。セールスマンは言います。「誰になら家の玄関の出入りを許す? 信頼している奴だろ? おれは客との信頼のイメージを結びつけたんだ」と。
お金を払う行為もこれと似ています。
300円だろうが3万円だろうが、お金を払うことによる信頼構築は変わらないのです。それならば、低額で払いやすくしたほうがいいはずです。
一部の企業では、無料オファーを止めて、超安価商品を入り口にしています。ダイレクト出版では、110円の商品をFB広告でPRしています。これは察するに、見込み度の高いお客、つまりお金を払う行為をするお客を集めたいからだと思われます。
もしあなたの会社が、後に続く商品が数多くあるにもかかわらず、フロントエンド商品で躓いているなら、超低価格な商品を用意し、買ってもらえるよう注力しましょう。躓きが解消され、商品がスムーズに流れ始めるはずです。
利益を得る商品を用意せよ
超低価格の商品を購入してもらい、財布の紐が緩んだところで次は利益を取りに行きます。
利益の取り方は、大きく分けて3つのモデルがあります。
1,数千円、数万円の商品を多数揃えて購入してもらうモデル。
ファッションや雑貨、コンテンツ販売がこれに当たります。
2,同じ商品を延々と買い続けてもらうモデル。
美容室やサロン、通信販売、最近流行りのサロンビジネスもこれに当たります。
3,高額商品を売って一気に利益を稼ぐモデル。住宅や車、コンサルティングがこれに当たります。
これらを掛け合わせて利益を最大化することもできます。たとえば、数千円のコンテンツ商品を販売しつつ、高額なコンサルティングサービスも提供する、といった感じです。
参考:儲かる仕組みの作り方/売れる仕組み設計法
3つの内どれかがあれば、超低価格の商品を販売した後は、売りやすくなっているはずです。
もし、上記の3つのどれもなければ死活問題です。ビジネスは上手く回りません。
超低価格商品によって、利益が得られる商品が売りやすくなれば、1人あたりから得られる利益も最大化するはずです。収益を得る仕組みができたら、集客にコストをかけていきます。
なぜ、リスト数を増やす施策が最後なのか
リスト数を増やす、つまり集客です。
なぜ、集客が最後なのか。それは、広告に失敗する確率を大幅に減らすためです。そもそも、広告の成否は何で判断するのか。それは、費用対効果です。
広告費に対して利益のほうが大きければ成功です。つまり、成功するためには、広告費を下げるか利益を大きくすればよいのです。超低価格の商品を販売して次の商品につなげる動線ができれば、必然的に1人あたりの利益は大きくなります。
考えてみてください。
1人のお客から得られる利益が5万円の場合と10万円の場合とでは、1人のお客を獲得するためにかけられる広告予算は同じでしょうか? 後者のほうが大きくかけられます。1人のお客を獲得するための広告予算が大きければ、広告に失敗する確率は低くなります。
さて、メルマガ読者を一人得るのに、2,000〜3,000円かかると言われています。そのうち10人に一人が3万円使ってくれて、広告費がペイします。しかし、人件費などが出ない分赤字です。
もし、その1人から20万円の利益が得られるのでしたらどうでしょう。収益は高まりますし、広告を広げることもできます。リスティング広告なら競合が出せないような単価設定をして、圧倒することもできます。
このように、利益が出る構造を作っておいてからメルマガ読者を集めるほうが効率はよいのです。
まとめ
メルマガでの売り上げを上げる方程式、「リスト数×平均単価×平均購入回数」について解説してきました。施策は、購入回数、単価、リスト数の順にしていくのが理想です。
あくまでも理想のため、実際には小さく集客しつつ、購入回数、単価を調整しながらになるかと思います。